青年・学生宣言

植民地主義は現在を生きる私自身の問題である

―「韓国強制併合」100年にあたって―

 今年2010年は、「韓国強制併合」から100年にあたる年である。日本は19世紀後半から朝鮮に軍事的な圧力をかけ続け、1910年、ついに大韓帝国を廃滅し、足かけ36年に及ぶ植民地支配をおこなった。
 植民地支配は、人間を人間として扱わない制度である。日本の朝鮮植民地支配は、朝鮮人が主体的に生きる権利を否定し、数え切れない生命と尊厳を奪った。さらに、植民地支配の結果として朝鮮半島の分断と民族の離散状態が作り出され、日本はアメリカとともにこれに荷担し、その体制を維持・強化してきた。そして、日本政府は植民地支配の責任を明確に認めず、被害者の痛みを回復するための真摯な取り組みをおこなってこなかった。こうした状況の下で、植民地支配を正当化する暴力的な主張が繰り返され、日本政府・日本社会は植民地支配のなかで生み出された複合的な差別構造を再生産してきた。たとえば、最近の高校の授業料無償化をめぐっても、日本にある各種学校の認可を受けた外国人学校の中で朝鮮高校だけを除外した。以上のように植民地主義は決して過去のものになっておらず、現在進行形の問題である。
 植民地主義は他人事ではなく、現在日本社会に生きる私自身の問題である。私たちは植民地主義の問題について、知り学ぶ場を奪われてきた。だからこそ私たちは自ら主体的に知るべきであり、まずは知りたいのである。そして、植民地主義や民族差別の根強い社会を構成し、存続させているのは現在の私たちにほかならない。いま、私たちが植民地主義に対して「NO!」を突きつけなければ、植民地主義は再生産され続けていく。「NO!」を突きつけないことは、植民地主義を事実上肯定することであり、暴力に荷担することにほかならない。そして、現在まで積み残されてきた課題を解決できるのは、いまを生きる私たち以外には存在しない。私たちは社会をよりよい方向へ導いていく責任と可能性を有しているのである。

  • 知る権利を行使し、学ぶ努力を惜しまない。
  • 日本政府に朝鮮植民地支配に対する真の謝罪と補償をおこなうことを要求する。
  • 朝鮮人被害者の声をかき消そうとするあらゆる暴力に抗議する。
  • 人権が真に尊重されることを願う人々同士の対話を重ねることで、その信頼関係を築いていく。
  • あらゆる差別と抑圧に反対し、平等な社会を実現する。

2010年8月22日
青年・学生実行委員会<なあがら>

※ この宣言文に対して、賛同の署名の募集を6月よりおこなったところ、8月末までに約250名の賛同が集まった。


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